FAQ 良くあるご質問と回答です。
用語に関して
- pHってなに?
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水溶性液の酸性、アルカリ性の度合いを表したものです。7.0が中性で、それ以下になっていくと酸性を増し、それ以上になるとアルカリ性を増していきます。水溶性油剤の場合、pH8~10の弱アルカリ性のものがほとんどで、腐敗が進むとpHが低下しますので管理の指標になります。
- 濃度%と倍率の違いは?
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倍率は「原液をどのくらい薄めたか」を、濃度は「希釈液の中に原液がどのくらいあるか」を表します。たとえば原液2リットルを水で100リットルに薄めた場合、倍率で50倍、濃度では2%になります。 倍率=100/濃度 濃度=100/倍率の関係があります。
- シンセティックタイプ油剤とは?
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確立された定義はありませんが、多くの場合、synthetic(=化学合成した)と言う意味で、合成潤滑剤を主成分とした油剤を指します。浸透性、冷却性、潤滑性に優れています。
- エマルション・ソリュブル・ ソリューションってなに?
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原液を水に溶かした時に白濁するのがエマルション、透明感のある状態になるのがソリュブルです。無機または有機インヒビタを主成分とし、水に透明に溶ける油剤を特にソリューションと呼ぶ場合があります。
使用上に関して
- 希釈水と切削油の原液はどちらを先に入れて混ぜるの?
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水に原液を加え良く攪拌して溶かし込みます。逆にすると均一に溶けない場合があります。
- 不水→水溶性に切りかえるときの注意点は?
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- タンク、配管、機械まわりの残留油に注意してください。
- スイッチなど電気系統の絶縁に注意してください。
- クーラントポンプなど送液系の設定に注意してください。
- 違う切削油を混ぜて使っても大丈夫?
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基本的には混合して使用しないで下さい。やむを得ず混ぜる必要がある場合はメーカーにご相談下さい。
- オイルスキマーから回収した油は再利用できるか?
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再利用はできません。トラブルの原因になりますのでタンクに戻さないで下さい。
- 日常の管理は 何をすれば良いか?
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- 濃度管理を行ってください。一定倍率で毎日補給することをお勧めします。
- 可能ならpHを測定し、管理することも有効です。
- 水と原液の補給量を記録して、管理に役立ててください。
- 油剤の保管方法は?
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直射日光を避け、涼しい場所に保管して下さい。冬期は低温になる場所を避けて下さい。特に水分など異物の混入を避けてください。
使用上の問題点に関して
- いくら原液を足してもさびが出てしまう。どうすればよいか?
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- 濃度低下している可能性があります。適正濃度であるか確認が必要です。
- 混合不良又は分離の可能性があります。十分に攪拌されているか確認して下さい。
- さびを促進する陰イオンが蓄積している可能性があります。使用液のチェックが必要です。
- タンク表面に豆腐のようなものが浮いているのはなぜか?
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希釈水硬度(性状)の影響により、金属石鹸(スカム)が生成されたものです。水質を調査した後、適切な油剤を選定してください。
- 新しいタンクに切削油を入れたら、茶色い油のようなものが浮いているがなぜか?
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- 油剤が完全に溶解されていません。よく撹拌してください。
- さび止め油など他の油が混入していないか調べてください。
- アルミの部品が黒く変色した。どうすればよいか?
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- アルミ変色防止能に優れた油剤をご使用下さい。
- 適性濃度でご使用下さい。
- 加工後直ちに製品の洗浄を行って下さい。
- 変色防止剤を添加して下さい。
- 作業者の手荒れがひどい。対策は?
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- 油剤に接触した場合、手洗いを励行して下さい。
- 作業前に保護クリーム等を塗布して下さい。
- 保護手袋などの保護具を着用して下さい。保護具は常に清潔にして下さい。
- 体質的な問題の場合は、該当者に対して配置転換等も必要です。
- 休み明けに、においがするがどうすれば良いか
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- 濃度管理を徹底して下さい。
- 防腐剤を添加して下さい。
- 耐腐敗性に優れた油剤をご使用下さい。
- 機械の塗装がはがれる。どんな塗料を使えば良いか。またはがれない油はあるか
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一般的に、浸透性に優れる水溶性切削油剤は塗料の剥離が起こりやすい傾向があります。エポキシ樹脂系等のニ液硬化型塗料、または焼付塗料のご使用をお勧め致します。
- 機械の窓にひびが入るのはなぜ?
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水溶性切削油剤の中には、機械の窓に主として使用されているアクリル系の樹脂に対する影響が大きいものがあります。
- ゴム・シール材は何が良いのか
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一般的にHNBRやフッ素ゴムが良好とされていますが、全ての油剤に対応できるゴム、シール材はありません。材質の他にメーカーによっても異なりますので、使用する油剤との適合性を確認の上ご使用下さい。
- 泡が立ってきたときの対処法は?
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- 濃度が適正であるか確認して、高い場合は調整して下さい。
- 濃度が適正な場合は消泡剤を使用して下さい。
- 設備に起因する問題がないかご確認下さい。
- 消泡性に優れた油剤をご使用下さい。
- 臭い対策としてエアレーションをしているが問題はないか
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- 好気性菌の繁殖とpH低下の原因となりますので、エアレーションは避けて下さい。
廃棄に関して
- クーラントを捨てるときはどの様にすればよいか?
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油剤により廃棄の仕方が異なりますので、処理の可否を判断のうえ、自社で処理するか処理業者に委託してください。未処理の油剤を下水や河川に流すことは絶対におやめ下さい。